はじめに
「広告費は上がるのに売上は伸びない」
「楽天・Amazonは価格競争が激化している」
こうしたEC事業者の課題は、今や多くの企業が直面しています。
実際に、送料・広告費の高騰や価格競争の激化、良い商品も”見られない”といった課題は既に顕在化しています。
こうした状況の中で急成長しているのが、TikTok Shopです。
そこで今回は、TikTok Shopの市場規模と今参入すべき理由を解説していきます。
1. TikTok Shopの特徴
TikTok Shopは、単なる新しいECモールではありません。
検索を介さずに商品が売れる「発見型EC」なのです。
| 従来のEC | TikTok Shop |
|---|---|
| 検索 → 比較 → 購入 | 発見 → 興味 → 購入 |
| 顕在ニーズ | 潜在ニーズ |
| SEO・広告依存 | アルゴリズム依存 |
Point「探すEC」から「出会うEC」へとシフトしていることが分かります。
2. TikTok Shopの市場規模
グローバルGMV(流通総額)の推移
TikTok Shopの成長は、EC史の中でも異例です。
- 2021年:約9~10億ドル(※初期テスト市場)
- 2024年:約320~330億ドル
- 2025年:約640億ドル
わずか4年で約70倍と爆発的な成長を遂げています。
さらに
- 2025年時点で約1500万のセラーが存在
- 約8億人以上が購買を経験
など、市場は拡大を続けており、すでに巨大プラットフォームと化しています。
将来予測:2030年には”Amazon級”になる可能性
調査によると、TikTok Shopは2030年には市場規模約1兆ドルに達し、世界ECシェアの約14.6%を占めると予測されています。
参照:yahoo!finance "TikTok Shop Could Be a Top-3 Global Retailer by 2030, Report Shows"
これはAmazonと並ぶほどの存在と言えます。
日本市場の現在地
TikTok Shopの日本市場においても、立ち上がりから極めて高い成長を見せています。
- ローンチ6ヶ月:累計155億円
- 月商:約4億円 → 約60億円へ急成長
- 2026年には約1,280億円規模へ拡大予測
また、ショップ数およびセラー数の急増からも、拡大フェーズに突入していることが見て取れます。
3. 急成長の理由とは
① アルゴリズムが”営業マン”になる
TikTok Shopは
- フォロワーがいなくても売れる
- 広告費をかけなくても拡散される
という特徴があります。
コンテンツがアルゴリズムによって流通し、結果として自動的に商品が広まっていく仕組みです。
② ユーザーの購買行動が変化
約58%のTikTokユーザーが購入を経験していることからも、検索せずに買うことが当たり前となっている傾向にあります。
③ クリエイターが販売チャネル化している
従来のECは、広告を介したブランドと顧客の繋がりが主でしたが、TikTok Shopでは「クリエイター → 視聴者 → 購入」という流れができています。
現在は、インフルエンサー=流通網となっているのです。
4. 今参入すべき理由
① 日本では競争がまだ本格化していない
多くのECモールや広告媒体は、参入初期こそ利益が出やすく、成熟するほど競争が激しくなります。
楽天やAmazonではすでに多くの店舗が同じ顧客を奪い合っており、価格競争や広告競争に巻き込まれやすい状況です。
一方、TikTok Shopはまだ国内で本格普及の初期段階にあり、競争相手が出揃っていないことが最大の特徴です。
これはつまり、同じ商品力・同じ運営体制でも、
- 競合が少ない分だけ露出を取りやすい
- ユーザーに新鮮に受け入れられやすい
- 運用の試行錯誤をしながらポジションを取れる
ということです。
後からの参入は、勝ち筋が見えている反面、すでに強い販売力を持つマーチャントが市場を押さえていることが多く、参入コストは一気に上がります。
今はまだ、後発不利が決定的になる前の段階です。
② 勝ちパターンが固定化していない
成熟した市場では、売れる型がある程度決まっています。
そのため、新規参入者は既存の強者と同じ土俵で戦うことになります。
しかしTikTok Shopは、まだ国内で運用ノウハウが十分に蓄積されていないフェーズです。
一見するとこれはデメリットですが、見方を変えると大きなチャンスです。
なぜなら、誰も完全な正解を持っていない市場は、早く動いたマーチャントが自分たちで勝ちパターンを作れるからです。
たとえば、
- どのカテゴリが自社に合うか
- どの価格帯なら反応が取れるか
- どんな動画表現がCVに繋がるか
- 自社運用とクリエイター活用のどちらが合うか
こうした知見は、後から買えるものではなく、早く始めたマーチャントほど蓄積できるものです。
つまり現段階での参入は、単に売上を取りに行く行為ではなく、将来の競争優位を作るための学習投資でもあります。
③ アルゴリズム主導の市場では初期参入が有利になりやすい
TikTok Shopは、検索型ECではなく、レコメンド型・発見型のECです。
ユーザーが商品名を検索してたどり着くのではなく、動画コンテンツやライブコマースを通じて商品に出会います。
この構造では、従来のように「知名度のあるブランドが必ず勝つ」とは限りません。
動画の企画力や訴求力次第で、無名の商品でも売れる余地があります。
この点で、初期市場は特に有利です。
プラットフォーム側は、市場拡大のために新たな出店者や商品、コンテンツを一定程度流通させたいと考えます。
もちろん、常に新規参入者が優遇されるというわけではありません。
しかし、少なくとも市場拡大フェーズでは、既存の大手だけでなく新しい売り手にも露出機会が配分されやすい傾向があります。
そのため今は、広告予算の大小だけで勝負が決まる段階ではなく、訴求の工夫次第で勝てる余白が大きい時期と言えます。
④ 先に始めたマーチャントほど学習曲線で差がつく
TikTok Shopは、出店しただけでは売れません。
これまで述べてきた通り、動画投稿やライブコマースなど、従来のECとは異なる運用が不可欠です。
ここで重要なのは、TikTok Shopの成否が、商品登録の有無ではなく、運用経験の蓄積量で決まることです。
たとえば、実際の運用では次のような検証が必要になります。
- どの動画尺が見られるか
- 冒頭3秒で何を見せると離脱が減るか
- 商品訴求型と体験訴求型のどちらが効果的か
- クリエイター経由と自社アカウント経由のどちらがCVに繋がりやすいか
- ライブとショート動画の比率をどう設計するか
これらは、実際に運用を行い、結果を見て、改善して初めて分かる領域です。
つまり、半年早く始めたマーチャントは、半年分売上が先に立つだけでなく、半年分の運用知見を先に持てるということです。
TikTok Shopのように変化が速い市場では、この差が非常に大きくなります。
⑤ 既存ECの課題を補完できる可能性がある
既存ECの現状の大きな課題として、「商品力が高くても見られない」ことが挙げられます。
楽天やAmazon、自社ECなどは、基本的に「探している人を取りに行く」構造です。
そのため、まだ商品を知らない潜在層には届きにくいという弱点があります。
この点を、発見型ECのTikTok Shopが補完できるのです。
TikTok Shopは既存チャネルの代替ではなく、新規顧客との接点を作るチャネルとして非常に価値があります。
特に、価格比較に巻き込まれやすい商材や、商品理解が進めば魅力が伝わる商材にとっては、動画経由で価値を伝えられること自体が大きな武器となります。
まとめ
いかがでしたか?
まだ競争が過熟しきっていないTikTok Shopは、先に経験を積んだマーチャントが優位を取れる販売チャネルです。
だからこそ、今は「参入するかどうか」を迷うより、まずは小さく始めて、自社に合う勝ち筋を見つけることが重要です。
TikTok Shopでの成果は、初期設計(商品・導線)やコンテンツ運用にも大きく左右されます。
早めのスタートを切って、自社に合った運用スタイルを確立させていきましょう。
自社での運用に不安やお困りごとがある方は、ぜひTikTok Shop導入・運用支援についてお気軽にご相談ください!