【Shopify初心者向け】コンバージョン改善のための「カート離脱ポイント」分析と対策

はじめに

ECサイト運営において、「商品がカートに入ったのに購入されない」という現象は大きな課題です。
いわゆる”カート離脱”は、コンバージョン率(CVR)を大きく左右する重要な指標。

今回は、Shopifyストアにおける離脱分析の方法と改善のための実践施策をご紹介します!

1. カート離脱率とは?

カート離脱率=カートに商品を入れたユーザーのうち、購入完了に至らなかった割合です。

カート離脱率 = 1 -(購入完了数 ÷ カート到達数)

例えば、100人がカートに進み40人が購入した場合、離脱率は60%。
この「60%」が下がるほど、CVR・売上が大きく改善します。

2. Shopifyで離脱ポイントを特定する方法

Shopify単体でもある程度の分析は可能ですが、Googleアナリティクス4(GA4)との連携により詳細に可視化することができます。

◆主な確認ポイント

離脱ステップ 分析ツール 着目すべき指標
商品ページ→カート Shopify分析/GA4 カート追加率
カート→チェックアウト GA4のイベント カート離脱率
チェックアウト→購入完了 Shopify分析/GA4 購入完了率

PointShopify Plusを利用している場合、Checkout Extensibilityを活用すれば、チェックアウト離脱率のより細かい分析が可能です。

3. 離脱の主な原因

カート離脱の背景には、次のような心理的・技術的要因があります。

原因 解説
送料・手数料が高い 合計金額を見て購入をやめる
配送日時・支払い方法の選択肢不足 利便性の欠如による離脱
会員登録必須・入力項目が多い UX面のストレス
ページ速度が遅い 表示遅延による離脱
割引コードの入力で離脱 「クーポン探し」による一時離脱
スマホUIの不備 ボタンやリンクの押しづらさ・複雑なナビゲーションへのストレス
ストアへの不信感 決済画面での不安(SSL/返品ポリシー不明瞭など)

4. 改善施策:実装・運用でできること

  • 送料無料ラインの明示
    「あと○○円で送料無料」など、購入インセンティブを可視化。
    カート離脱を防ぎつつ、平均注文金額(AOV)も向上
  • チェックアウト前のコスト透明化
    送料・手数料・税金を早めの段階で提示。
    意図しない価格上昇による離脱を防ぐ
  • ゲスト購入の有効化
    会員登録不要でスムーズに購入完了まで進める導線を用意。
    初回購入率アップにも寄与
  • クーポンコードの自動適用
    チェックアウトでの手入力を減らし、クーポン探し離脱を防止。
    例:テーマ.liquid内で”discount”パラメータを動的付与
  • スライドカートの導入・最適化
    カート追加時にスライドインするカートを導入。
    さらにカート内でのUX改善(削除・数量変更・関連商品などの表示)を行う。
    離脱前に再検討を促す
  • カゴ落ちメール・LINE通知
    Shopify Flowまたは外部メールアプリと連携し、離脱者へ自動リマインド。
    →タイミングは離脱後1~3時間以内が最も効果的

5. プラスα:モバイル最適化でCVR底上げ

Shopifyのアクセスは約70~80%がモバイル。
そのため、モバイル特有のUX最適化を行うことで、カート→購入の離脱率が平均で10~20%改善します。

  • 購入ボタン(CTA)を固定表示
    スマホでは、画面をスクロールすると「カートに入れる」ボタンが見えなくなることも。
    これを防ぐためには、画面下固定や追従型のカートボタンを実装する方法があります。
    →専用アプリを使用することで簡単に実装可能です。
  • 入力フォームをできるだけシンプルに
    購入画面での入力が多いほど、離脱率は上がります。
    特にスマホは入力の手間を感じやすい傾向にあるため、次のような工夫が効果的です。
    • 郵便番号から住所を自動入力
    • 入力エラーはリアルタイムで表示
    →テーマエディタ > チェックアウト で「住所のオートコンプリート」を有効にするだけでもUXが大きく改善されます。
  • スマホ決済(Apple Pay/Google Payなど)を有効にする
    Shopify Paymentsを利用していると、ワンタップで決済できるスマホ専用の支払い方法を追加することができます。
    クレジットカード情報を入力する手間がなく、またクレジットカードを持っていないユーザーも簡単に購入することができるため、購入完了率が大幅に向上します。
    →Shopify管理画面 > 設定 > 決済 > Shopifyペイメント > 管理 からShop PayやApple Payなどを有効化できます。
  • 画像と文字サイズを最適化
    • 商品画像の比率を統一
    • 画像内の文字の視認性を意識
    • サイト内の文字はスマホで読みやすい14~16px以上
    これらはテーマ設定から簡単に変更可能です。
    スマホでプレビューを確認しながら調整しましょう。

Pointスマホ最適化は「見た目を整える」だけでなく、ユーザーが迷わず、ストレスなく購入できる導線をつくることが重要です。

まとめ

いかがでしたか?
カート離脱率の改善は、顧客の”買いたい”気持ちを失わせずに完了まで導く導線設計の最適化です。
UXや心理的安心感、価格・送料の透明性、技術的ストレスの排除などをバランスよく整備することで、コンバージョン率と平均注文金額の両方を伸ばすことができます。
特にShopifyでは、Shopify Flow・メール自動化・テーマ最適化・GA4を組み合わせた運用設計が鍵となります。

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