はじめに
ECサイトを成長させる上で、”平均注文金額(AOV:Average Order Value)”は最も重要な指標のひとつです。
トラフィックや購入数を増やす施策は時間とコストがかかりますが、既存顧客の購買単価を高める施策は、短期間で売上に直結しやすいメリットがあります。
本記事では、Shopifyで平均注文金額を向上させる具体的施策10選をご紹介します。
テーマカスタマイズやアプリ活用も含め、明日からすぐ実践できる内容ですので、ぜひお試しください!
1. クロスセル(関連商品提案)を強化する
「この商品を買った人はこちらも購入しています」など、セットで買う心理に働きかけます。
◆具体例
- 商品ページ下部に関連商品を表示
- カートページやバナーでおすすめ表示
◆Shopifyでの実装
- テーマ標準の「関連商品」セクションを有効化
- カートページのテンプレートにおすすめ商品ブロックを追加
- 閲覧履歴を活用して提案(閲覧履歴機能はこちらを参照)
2. アップセル(上位モデル/大容量版など)を提案
購入商品よりも上位の商品を提案することで、単価アップを狙います。
◆具体例
- シングルアイテム→セット商品
- 小容量→大容量
- 通常版→プレミアム版
テーマやアプリで比較表を表示するとさらに効果的です。
3. セット商品/バンドル販売
単品購入よりもお得に見える価格設計で客単価を上げる手法です。
◆具体例
- お得な3本セット
- 購入ハードルを下げるスターターセット
- ギフトセット
バンドル用のアプリを活用すれば実装可能です。
4. 送料無料ラインを設定する
「あと○○円で送料無料」と表示し、自然に追加購入を促します。
◆具体例
- 送料無料ライン:8,000円
→5,000円分をカートに入れると、「あと3,000円で送料無料」と表示
専用アプリの活用またはカスタムスクリプトでの動的表示(Shopify Functions対応テーマ)が可能です。
5. 定期購入(サブスクリプション)で単価アップ
継続購入製品なら、定期便のカート誘導が有効です。
◆具体例
- 定期割引を設定
- 回数縛りなしで心理的ハードルを低減
6. ギフト需要に対応する
ギフトオプションを用意することで、単価と購入点数を同時に上げることができます。
◆おすすめのオプション要素
- ギフトメッセージ欄
- 有料ラッピング
- のし設定
これらの導線づくりは、特にホリデーシーズンに効果絶大です。
7. ロイヤルティプログラムで購入単価を高める
ポイント付与やVIP制度により、高額購入の動機付けを作ります。
◆具体例
- 10,000円以上購入で2倍ポイント付与
- 会員ランクに応じてクーポンなど特典付与
メールアプリやShopify Flowとの連携もおすすめです。
8. カートページでの追加購入を促す
カートは最も購買意欲が高い瞬間。
ポップアップやセクションを活用して追加商品をレコメンドしましょう。
◆具体例
- トライアルセットの追加
- 小物アイテムや補助商品の追加
- 送料対策商品の提案
9. ビジュアル強化と比較表で高価格帯商品を売る
価格が高い商品ほど、視覚的訴求と情報整理が重要です。
◆実践アイデア
- 商品動画を掲載
- 価格比較表を追加
- 利用シーンの画像を掲載
商品ページテンプレートにブロックを追加することで簡単に実装が可能です。
10. 分割払い・後払い決済の導入
高単価商品の購入では、価格への心理的抵抗が購入の障壁となります。
そこで分割払い・後払いの手段を導入することで、1回あたりの支払額が抑えられ、心理的ハードルを大幅に下げることができます。
◆Shopifyでの実装ポイント
- Paidyなど外部決済を導入
- 商品ページに分割例を表示
- カートや専用ページなどで支払い例を明記
「高くて買えない」ではなく「支払いやすいなら買える」へ転換させることで、特に美容機器・家具・家電・サプリメントなどの高単価商材でコンバージョン率&平均注文金額が向上します。
まとめ
いかがでしたか?
平均注文金額の向上は、広告費高騰・競争激化が進む現在のEC市場において、利益率を守りながら売上成長を実現するための最重要戦略です。
新規顧客獲得に依存するだけでは、LTV(顧客生涯価値)や収益性の最大化は困難です。
一方で顧客1人あたりの購入単価を高めることは、顧客獲得コスト(CAC)の圧縮や広告依存の低減、リピート率改善といった複数の効果をもたらします。
顧客心理に基づいた購買導線を設計し、より高い価値を適切に提示することで、顧客満足度と売上を両立するアプローチを行うことができます。
Shopifyの機能とアプリ、そして運用戦略を掛け合わせながら、顧客価値の最大化とストア成長をともに実現していきましょう!