はじめに
「リピーター特典などの特別な対応をしたいけど時間が足りない」
「在庫が減っているのに気づくのが遅れる」
このような”Shopify運営あるある”を解決してくれるのが「Shopify Flow(フロー)」です。
Shopify Flowは、Shopifyが提供する業務自動化アプリです。
「もし○○が起きたら、△△を実行する」というルールを設定するだけで、日々の細かな作業を自動化することができます。
コーディング不要&無料で使えるため、初心者の方でもすぐに導入が可能です。
この記事では、実際に使える自動化ワークフロー5選をご紹介します。
業務を短縮できる「即効性のある自動化例」ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください!
1. Shopify Flowとは?基本の仕組みを理解しよう
Shopify Flowの基本構成は、3ステップでできています。
- トリガー(Trigger):きっかけとなる出来事(例:注文が作成された)
- 条件(Condition):その後に確認する条件(例:注文金額が1万円以上)
- アクション(Action):実際に自動で行う動作(例:タグを付ける、メール通知を送る)
この「トリガー→条件→アクション」を組み合わせるだけで、「在庫が少なくなったらメールで知らせる」など自由に自動化することができます。
2. 導入手順(5分で完了)
- Shopify管理画面 > アプリ > 「Shopify Flow」をインストール
- アプリを開き、使用したいテンプレートを選択または検索して「インストール」(テンプレートがない場合はワークフローを新規作成)
- 必要箇所を編集して保存し、オンに切り替えれば稼働開始
3. おすすめ自動化ワークフロー5選
①在庫数が少なくなった商品を自動通知
- 目的:在庫切れを防ぐ
- トリガー:在庫数量の変更時
- 条件:在庫が5個未満
- アクション:メールなどでアラート送信
💡欠品による販売機会損失を防ぎ、在庫管理の精度が向上します
②リピーターを自動でタグ付け
- 目的:顧客セグメントを自動作成してマーケティングに活用
- トリガー:注文作成時
- 条件:過去の注文数が2回以上
- アクション:顧客に「リピーター」タグを追加
💡Shopifyメールなどの配信アプリでリピーター向け施策を自動化できます
③初回購入者にウェルカムメールを自動送信
- 目的:初回購入者にブランド体験を届け、リピート購入を促す
- トリガー:注文作成時
- 条件:顧客の注文回数が1回目
- アクション:Shopifyメールなど配信アプリでウェルカムメールを自動送信
メール例文:
当店のご利用ガイドやおすすめ商品をご紹介します。
【補足】
テンプレート「購入後のお客様に感謝を伝える」を参照するとスムーズです。
💡リピート率・顧客満足度アップに直結します
④VIP顧客への自動対応
- 目的:高LTV顧客を可視化して特別対応を自動化
- トリガー:注文作成時
- 条件:過去の総購入金額が50,000円以上
- アクション:顧客に「VIP」タグを追加
💡リピート育成・パーソナライズ施策の基盤を自動で整備することができます
⑤特定商品購入者に関連商品のクーポンを配布
- 目的:購入データを活かしたクロスセル&アップセル促進
- トリガー:特定の商品購入時
- 条件:顧客が該当商品を購入
- アクション:Shopify Flowで顧客にタグ追加&メール送信
メール例文:
次回のお買い物時に「同シリーズ」商品が10%OFFでお求めいただけるクーポンをプレゼントいたします!
【クーポンコード】
RELATED10
【有効期限】
2025年12月31日
【補足】
指定のタグが追加された顧客のみが使用できるクーポンコードをあらかじめ作成しておく必要があります。
💡再購入率アップ&関連商品の販売強化に効果的です
4. 応用編:外部アプリとの連携
Shopify Flowの強みは、Shopify内部の自動化だけなく外部アプリとの連携によって拡張的なワークフローを作れることです。
これにより、メール配信・顧客サポート・チーム管理といった業務まで自動化の範囲を広げられます。
代表的な連携例
①Klaviyo
- 「タグが追加されたら」「購入回数が3日目になったら」などの条件で、自動的にパーソナライズメールを送信
- メール本文内に顧客名・購入履歴・おすすめ商品などを自動で差し込み
- 開封率・クリック率・CVRなどの分析も可能
| 項目 | Shopify Email | Klaviyo |
|---|---|---|
| 条件の細かさ | 限定的(「購読者全員」「タグあり」など) | 詳細な条件設定が可能(行動・購入履歴ベース) |
| 自動配信 | 一部のみ対応(ニュースレター中心) | 完全自動化(Flow連携でトリガー設定可能) |
| デザイン | シンプル | 高度なテンプレート・A/Bテスト対応 |
| 分析機能 | 開封率・クリック率のみ | セグメント別の詳細レポートあり |
②Gorgias
- 問い合わせや注文キャンセルなどをトリガーにして、サポートチケットを自動生成
- 顧客タグや注文状況をもとに、担当者を自動アサイン
- Slackやメールへの通知も可能
| 項目 | Shopify Email | Gorgias |
|---|---|---|
| 対応手段 | メール送受信のみ | チケット管理・返信履歴共有 |
| 担当分担 | 手動で対応 | 自動ルールによる振り分け可 |
| 顧客情報の表示 | 限定的(注文情報のみ) | 顧客の注文履歴・タグを自動取得 |
| チーム連携 | 不可 | 複数担当者で同時対応可能 |
③Trello/Asana
- Shopifyの出来事(新規注文・在庫アラート・返品申請など)をトリガーにして、TrelloやAsanaに自動でタスクカードを生成
- チームメンバーへの自動通知・期限設定も可能
| 項目 | Shopify Email | Trello / Asana |
|---|---|---|
| 情報共有 | メールのみ(個人宛) | チーム全員に見えるタスク化 |
| 状況管理 | メールで手動確認 | ボード上でステータス可視化 |
| リマインド | なし | 期限・担当者設定で自動通知 |
| コラボレーション | 不可 | コメント・添付・進捗共有が可能 |
💡Shopifyの標準メールでも基本的な通知は可能ですが、「顧客ごとに異なる対応をしたい」といった場合は、これらの外部アプリとFlowを組み合わせることで運営効率と顧客体験の両方を大幅に向上できます。
まとめ
いかがでしたか?
Shopify Flowは単なる作業削減ツールではなく、Shopify運営の品質と再現性を高めるための自動化プラットフォームです。
店舗運営には、受注確認・在庫チェック・顧客対応といった繰り返し作業が数多く存在します。
それらを人の判断に依存したままにしておくと、属人化や対応遅れ、ミスといったリスクが避けられません。
そこでShopify Flowを導入することによって、”手動でやるべき業務”と”自動で処理すべき業務”を切り分け、運営プロセスを仕組み化することができます。
EC運営の自動化は、オペレーションコストの最適化や顧客対応スピードUP、データドリブンな運営基盤の確立など経営的メリットも多数あります。
これからのEC運営では、「効率化」よりも「自動化された成長サイクルの構築」が競争優位の源泉となります。
ぜひ今日からShopify Flowを導入して、成長を持続させる仕組みを構築していきましょう!