はじめに
皆さん、こんにちは!
この記事では、Shopifyの最新アップデート情報から、中でも注目の機能をピックアップしてお届けしていきます。
今回は、2025年10月に発表された最新アップデートから厳選した3点をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
※アップデート情報はShopify Changelogより引用・参照しています。
アップデート内容
商品のバリアント(バリエーション)上限が最大2,048に
◆機能の概要
Shopifyでは従来、1商品あたり最大100バリアントという制限がありましたが、今回のアップデートにより2048バリアントへと上限が大幅に引き上げられました。
商品登録の手順自体は従来通りで、管理画面の操作に変更はありません。
◆本機能のメリット
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商品展開力の強化
特にカスタム品やサイズ×カラー×素材など多軸のバリエーションを持つ商品群では、分割登録や別商品登録といった煩雑な運用を減らすことができます。
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SEO・UXの向上
一つのページにすべての選択肢をまとめられることで、ユーザーが「別ページへ」「他の商品へ」と移動する手間を省くとともに、離脱を防ぐ設計が可能になります。
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在庫・管理コストの軽減
複数商品に分かれていた構成を整理することで、在庫管理・価格調整・プロモーション設計などの効率が上がります。
◆活用ポイント
- バリエーション構成の見直し
現在、サイズ別・素材別・カラー別などで複数の商品ページに分かれているものがあれば、1商品への統合を検討しましょう。 - SKU/価格・在庫管理ルールの整備
バリエーション数が増える分、SKU管理や在庫同期の負荷が上がる可能性が考えられます。
どの軸(サイズ・色・素材)が売れているかを分析し、バリエーション構成を整理することで運用負荷の軽減に繋がります。 - プロモーション設計との連動
バリエーション数の増加を活かして、「限定カラー」「素材違い」「数量限定バリエーション」などの販促枠を設け、クロスセル・アップセルを狙う設計も有効です。
商品ステータスに「非公開」が追加 《NEW!》
◆機能の概要
今回のアップデートにより、公開・下書きの2パターンであった商品ステータスに「非公開」という新しいステータスが追加されました。
これにより、ストア検索・コレクション・すべての販売チャネル・インターネット検索・Shopifyカタログからは非表示となりつつ、直接リンクからアクセス・購入可能な仕組みを作ることができます。
この機能は特に、非公開販売やギフト付与品、シークレットセール商品など、”一般のユーザーの目につかないようにしたいが販売はしたい”といったケースに最適です。
◆本機能のメリット
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非公開商品運用の容易化
これまで販売チャネルの制限やnoindexの対応などで運用していた商品も、意図せず検索に出てしまうリスクを抑えつつ、購入可能な状態を保つことができます。
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ユーザーへの特別感演出
限定キャンペーン商品やVIP顧客向け商品を、リンクへの直接アクセス形式で提供することにより、ブランド体験の差別化が可能となります。
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在庫や価格競合管理の改善
全体公開せずに、特定顧客向けやチャネル限定で商品を出すことができるため、チャネル間の価格ずれや販促過多などの課題緩和に役立ちます。
◆活用ポイント
- 運用パターンの整理
まずは非公開ステータスの対象を明確に設定しましょう。(例:ギフト付与商品,B2B代理店専用商品,社内販売品など)
どの商品に対してこのステータスを適用するか、ルールを事前に作ることでその後の運用を円滑に行うことができます。 - リンク管理・アクセス制御の設計
直接URL経由でアクセス可能となるため、URL漏洩などのリスクを踏まえ、リンク配布・期限設計を整理する必要があります。 - SEO・チャネル影響の考慮
非公開商品は検索やコレクションから除外されるため、SEO流入・レコメンデーション機能などからの露出は劣る可能性が高まります。
一般販売商品(公開商品)と露出させたくない商品(非公開商品)を明確に分け、目的を意識した運用を行うことが重要です。
アカウントの登録メールアドレスが顧客自身で変更可能に
◆機能の概要
顧客が自身のアカウントプロフィール上で、登録メールアドレスを更新できる機能が提供開始されました。
更新時は新しいメールアドレス宛にワンタイムパスワードが送信され、確認後にログイン状態を維持したままメールアドレスを変更することができます。
◆本機能のメリット
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サポート負荷の低減
顧客からメールアドレス変更の問い合わせを受け、マーチャント側で手動対応していた場面が大幅に減少します。
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セキュリティ/UX向上
メールアドレス変更時にワンタイムパスワードが入るため、誤登録やなりすましリスクを軽減できます。
さらに、顧客体験としても自身での管理が可能となるため、ストアへの信頼感が向上します。 -
データ整合性の改善
メールアドレスが最新状態に保たれることで、メルマガ配信精度や再購入促進施策の精度が向上します。
◆本機能の注意点
本機能は、「新しいお客様アカウント」を使用しているストアが対象となり、旧バージョンの顧客アカウントでは現在対応されていません。
まずは自社ストアの顧客アカウントの形式をあらかじめ確認し、旧バージョンの場合は設定の変更を行う必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
EC運営において他社との差別化を図るためには、単に機能を使いこなすだけでなく、その機能を自社の業務設計・運用フローとどう繋げるかを考える必要があります。
各機能を導入する際には、「この変更が自社運用にとってどのような意味を持つか」を意識し、運用プロセス・リソース配置・測定指標などをしっかりと整えることで、機能活用の差が成果の差へと繋がっていきます。
ツール×運用設計の掛け算が、今後のShopify運営の本質的な競争優位となります。
機能アップデートを”打ち手”として捉え、積極的にストア設計に反映していきましょう!