はじめに
皆さん、こんにちは!
この記事では、Shopifyの最新アップデート情報から、中でも注目の機能をピックアップしてお届けしていきます。
今回は、2025年9月に発表された最新アップデートから厳選した3点をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
※アップデート情報はShopify Changelogより引用・参照しています。
アップデート内容
レポートの「上位アイテム数」が自由に設定可能に
◆機能の概要
ストア分析のレポート機能で、グラフや表に表示される「上位アイテム数」を自由に設定できるようになりました。
従来の”上位5件固定”という制約がなくなり、10件・20件など任意の件数を表示できるほか、「その他」の扱いも調整可能です。
◆期待される効果
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分析精度の向上
商品点数の多い店舗でも、主要商品群を広く可視化でき、売上構成の偏りを正確に把握可能に
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施策立案の明確化
上位外商品の動向を分析し、潜在的な伸びしろを特定
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柔軟な報告・共有
週次/月次レポートで、施策目的に応じた見せ方を容易に実現
◆活用ポイント
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主要商品構成の抜け漏れ防止
- 従来、上位5位のみ表示されていたため、売上が分散しているストアでは6位以下の商品が見えにくく、改善対象を見逃すリスクがありました。
今回の機能により、「上位10件+その他」や「上位20件表示」などに切り替えることで、売上構成の全体像を俯瞰できます。 - 実践例:
月次レポートの設定を「上位10件表示、その他をグループ化」へ変更し、6~10位の動向をチェック。
そこから売上急伸商品の早期発見や販促余地があるロングテール商品の着火点を探ることができます。
- 従来、上位5位のみ表示されていたため、売上が分散しているストアでは6位以下の商品が見えにくく、改善対象を見逃すリスクがありました。
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セグメント別/チャネル別分析に応じた表示数の最適化
- たとえば「新規流入チャネルでの上位商品5件」に着目したい場合は表示数を5件に絞り、「既存顧客のリピート商品動向を上位20件で見る」など、目的に応じて上位数を変えることで分析の精度とフォーカスが高まります。
- 実践例:
プロモーション出稿からの新規流入パターンを把握したい場合、「上位5件+その他非表示」に設定し、流入チャネルごとにどの商品が”最初に買われているか”を見える化することができます。
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レポート共有時の見せ方改善/意思決定支援強化
- レポートをチーム共有またはステークホルダー向けに提供する際、「上位5件のみ」では説得力に欠ける場合があります。
本機能を使い「上位10件+その他グループ」のように構成し、「この5件以外にもまだ売上インパクトがある商品群が存在する」ことを提示できます。 - 実践例:
月次KPI会議用資料として”その他”を非表示にせず明細化することで、「改善対象商品が分散しており、次の打ち手として○○商品群に取り組む必要がある」と示すことが可能になります。
- レポートをチーム共有またはステークホルダー向けに提供する際、「上位5件のみ」では説得力に欠ける場合があります。
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在庫/仕入れ最適化と連動
- 複数商品の動きが見えることで、「上位外であるが伸びてきている商品」や「上位内だが成長鈍化してきた商品」の早期発見が可能です。
これにより在庫回転数改善や仕入れ数量適正化へ繋げられます。 - 実践例:
レポートで「上位10件表示」に設定
→新たにランクインした商品が2か月連続で売上比率5%超なら、仕入れ数量を+10%検討。反して上位5件だったが売上比率3か月連続で低下している商品は仕入れを抑制。
- 複数商品の動きが見えることで、「上位外であるが伸びてきている商品」や「上位内だが成長鈍化してきた商品」の早期発見が可能です。
下書き注文でもマーケット別価格に対応
◆機能の概要
2025年10月31日以降、下書き注文(管理画面で作成する仮注文)を顧客がチェックアウトする際、配送先住所を変更しても対象マーケット(国・地域別)に応じた価格が自動的に反映されるようになります。
◆期待される効果
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越境販売の価格整合性
顧客の居住国に合わせた価格が正しく適用され、国際販売の信頼性が向上
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法人取引の安定運用
B2Bなどで見積型販売での下書き注文利用時に、通貨・税制・価格整合が担保
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顧客体験の向上
チェックアウト時の価格不整合やトラブルを未然に防止
◆活用ポイント
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越境EC・多地域展開の価格ポリシー整備
- 顧客の配送先変更により適用市場が変わる場合、適切な価格設定・通貨変換が自動で反映されるようになりました。
これにより、たとえば「日本顧客が米国に転送先を変更した場合に米ドル価格が適用される」など、地域別の価格ポリシーが統一されます。 - 実践例:
見積りやメール注文で下書き注文を作成する際、「対象マーケット:日本/米国/欧州」に応じた価格レンジをあらかじめ定義。
配送先住所が米国になった場合のみ価格を米ドルで自動適用し、見積り段階から通貨変動リスクを低減することができます。
- 顧客の配送先変更により適用市場が変わる場合、適切な価格設定・通貨変換が自動で反映されるようになりました。
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B2B/代理店販路向け見積り・チェックアウト運用強化
- 法人顧客や代理店チャネルでは、価格交渉・見積提示→顧客承認後チェックアウトという流れが一般的ですが、これまで下書き注文にマーケット別価格が反映されにくかったことで運用に齟齬が生じることがありました。
今回の対応により、見積→注文フローがより”地域価格整合”に即して安定します。 - 実践例:
代理店向け見積時に「米国市場」「欧州市場」「アジア市場」の価格テーブルを用意し、下書き注文生成時に自動で市場切り替え。
チェックアウト時は入力住所により自動で該当通貨・税制で反映される体制を設計されます。
- 法人顧客や代理店チャネルでは、価格交渉・見積提示→顧客承認後チェックアウトという流れが一般的ですが、これまで下書き注文にマーケット別価格が反映されにくかったことで運用に齟齬が生じることがありました。
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価格ロック運用とリスク管理
- 本アップデートでは「価格をロック(Override)すれば顧客が配送先住所を変更しても価格変動を防げる」ことがリリースされています。
これにより、見積提示後に価格が意図せず変更されるリスクを回避できます。 - 実践例:
特注製品や長期契約品では見積提示後に「価格ロックフラグ」を立て、必要に応じて価格固定の旨を顧客へ案内。
これにより顧客信頼を維持しつつ、価格変動リスクを管理できます。
- 本アップデートでは「価格をロック(Override)すれば顧客が配送先住所を変更しても価格変動を防げる」ことがリリースされています。
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運用フローの見直し:チェックアウトリンク活用と検証
- 下書き注文の発行から顧客チェックアウトまでのフローを見直し、顧客が配送先住所を変更できる可能性のある状況(代理店が複数納品先を持つ場合など)を設計段階で洗い出す必要があります。
- 実践例:
顧客Aに下書き注文を発行→代理店が納品先を選択可能→住所変更によって価格マーケットが自動再評価される可能性があるため、「配送先最終確定後チェックアウトリンク送付」または「価格ロックをかけた状態で発送」など、社内フローを整備すると円滑です。
注文一覧をカスタムメタフィールドでフィルタ可能に
◆機能の概要
注文管理画面において、最大5つまでのカスタムメタフィールドを条件にしたフィルタリングが可能になりました。
これにより、通常のタグやステータスでは分類しにくい”独自属性”に基づいた注文抽出を行うことができます。
◆期待される効果
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運用効率化
特注対応やギフト梱包、優先発送などの条件で注文を瞬時に抽出
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自動化連携の拡張性
Shopify Flowや外部ツールとの連携によるワークフロー自動化が容易に
◆活用ポイント
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運用ワークフローに即した「オペレーションフラグ」の可視化強化
- ギフト包装、優先発送、同梱指示など多様な内部フラグがある場合、これをメタフィールドとして設計し、注文一覧画面で即抽出できるようにすることで、作業漏れ・対応遅延を抑制できます。
- 実践例:
注文にメタフィールド「ギフト包装=Yes/No」「優先発送=Y/N」などを登録。
管理画面で「ギフト包装=Yesかつ優先発送=Y」のフィルタリングを保存し、毎日この抽出結果を確認することで追撃ミスの防止に役立ちます。
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自動化連携への布石
- メタフィールドで抽出した注文をトリガーに、Shopify Flowなど外部ツールへの連携が可能です。
たとえばメタフィールド「特注対応あり」の注文に対してメール自動通知を発動するなど、オペレーションを半自動化できます。 - 実践例:
メタフィールド「特注対応=Yes」の注文が発生した際、自動で特注対応作業開始メールを担当者に送付&出荷予定日を特注ワークフローテーブルに追加。
これにより関係部署間の対応遅延リスクを低減することが可能になります。
- メタフィールドで抽出した注文をトリガーに、Shopify Flowなど外部ツールへの連携が可能です。
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分析・改善サイクルへの活用
- メタフィールドによって注文を分類できるようになったことで、たとえば「特注対応注文の平均処理時間」「ギフト包装注文における返品率」「優先発送指定注文の発送遅延率」など、運用KPIを細分化して追えるようになります。
これが定量的な改善サイクルへと繋がります。 - 実践例:
- メタフィールド「ギフト包装=Yes」の注文を抽出し、通常包装注文と比較して返品・クレーム率を算出。
- メタフィールド「優先発送=Y」の注文に対し、発送までの平均時間をトラッキングして基準を設定。
⇒改善対象が明確に。
- メタフィールドによって注文を分類できるようになったことで、たとえば「特注対応注文の平均処理時間」「ギフト包装注文における返品率」「優先発送指定注文の発送遅延率」など、運用KPIを細分化して追えるようになります。
まとめ
いかがでしたか?
今回のアップデートは、Shopifyが明確に「データ駆動型の運営最適化」に舵を切っていることを示しています。
特にレポート・メタフィールド・マーケット対応といった機能群は、現場のオペレーション精度を上げながら、意思決定を自動化・標準化していく方向性を強く反映しています。
ECの競争優位性は、単なる販促施策ではなく、「どれだけデータを正しく扱い、運用を再現性高く回せるか」によって左右される時代です。
Shopifyの機能アップデートを単なるツールの更新として捉えるのではなく、自社のKPIや業務フローの再設計に直結させることが、今後の成長を支える鍵となります。
各アップデートの意図を理解し、”ツール活用×運用設計”の掛け算で成果を最大化していきましょう!
今後も皆さんのお役に立てるような有益な情報をお届けしてまいります。
ご不明な点などがございましたらお気軽にお問い合わせください!