越境ECをスムーズに行うためのノウハウ&考え方を公開!

はじめに

皆さん、こんにちは!
日本にいながら海外のネットショップでお買い物をする機会もとても多くなりましたし、海外在住のユーザーからネットショップに注文をいただくこともあると思います。
日本の事業者がネットショップを通じて海外に商品を販売すること「越境EC」といいます。
最近この言葉をよく耳にするようになり、ネットショップ運営者さんから「越境ECを始めてみたいけど、どうやって始めたらいいの?」というご相談をいただくことがたくさんあります。
決済や配送、言語対応など、対応が必要と考えられる点が多くありますが、基本的な考え方と押さえるべきポイントを理解することで、安心して海外販売を始めることができます。

今回は越境ECをこれから始める方や、もう越境ECをしているけれどもやり方が間違っていないのか不安な方など、ネットショップ運営者さんに役立つ基本的なノウハウ&考え方をご案内します。

越境ECで対応の必須項目と努力項目を明確にする

「世界中に商品を販売する」というと、とても大きな事のように感じてしまうかもしれません。
海外の方が利用できる支払方法や配送方法&送料の設定、個人情報の取り扱いに関する法律を遵守するなど、必ず対応しなくてはいけない項目もありますが、ECサイトの表示言語はユーザー側でインターネットブラウザの翻訳機能やGoogle翻訳・DeepLなどの翻訳サービスを利用することを想定すれば努力項目とすることができます。

それではさっそく越境ECで必須の対応項目と努力項目を見ていきましょう。

越境ECでの対応必須項目

越境ECの必須項目1 - 支払方法の設定

まず海外の方に向けてネットショップで商品を販売するためには、海外の方が利用できる支払方法をネットショップで使えるようにしなくてはいけません。
国を問わず利用頻度が高い支払方法で必ずネットショップに設定しておきたいのが下記になります。

必ず設定しておきたい支払方法

  • クレジットカード払い
  • PayPal

クレジットカードは日常的に利用されている支払方法ですので、必ずネットショップでも利用できるようにしましょう。
ただし、一部の収納代行会社では海外発行のクレジットカードの利用制限がある場合もあります。
また、クレジットカードの不正利用防止のために、現在導入が義務付けられているEMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)により、海外にお住まいの方が日本のネットショップのお買い物でクレジットカードを利用しようとしても決済の承認が下りないという事もあるため、クレジットカード払いを利用できるように設定すること自体は必須ですが、クレジットカード払いだけでは心もとないため、PayPalも利用できるようにすることが大切です。

PayPalは非常に高いセキュリティで保護されている決済プラットフォームで、約4億3,000万人以上が利用しています。
PayPalアカウントはクレジットカードや銀行口座をはじめ、各国・地域ごとで主流になっている支払方法と紐づけられているため、何らかの理由でクレジットカードが利用できなくてもPayPalで支払いができるケースも多く、ほとんどの収納代行会社でPayPalによる支払方法に対応しています。

続いて、可能であれば設定しておくことをオススメする決済法は下記になります。

可能であれば設定しておきたい支払方法

  • Google Pay/Apple Pay

いわゆる、スマートフォン決済です。
androidもiPhoneも、スマートフォンのアプリインストールをする際に必ずと言っていいほどGoogle PayとApple Payが自然に使える状態になっています。(ペアレンタルコントロールなどで利用できない場合もあります。)
Google Pay/Apple Payを利用できるユーザー数はとても多いのですが、ネットショッピングの支払い方法での利用は限定的で、収納代行会社によっては別途契約や費用が必要になる場合が多いため、導入にあたっての手間や費用を検討し、可能であれば支払方法に設定しておくのが望ましいです。

越境ECで必要な支払方法を実装する方法

ここまでご案内した支払方法は、ECプラットフォームのShopifyで全て実装することができます。
クレジットカード払い、Google Pay/Apple PayはShopify PaymentsというShopifyが提供している支払方法でカバーしていますし、PayPalもアカウントがあればShopifyと連携の設定をするだけでを利用できるようになります。
Shopify Payments以外にも、Shopifyとの相性が良いKOMOJUや、比較的導入が容易なSBペイメントサービスなどが利用できます。越境ECを行うかどうかに関わらず、Shopifyを使えば多くの収納代行会社の中から適切なサービスを選べるという点も、大きなメリットの一つです。


越境ECの必須項目2 - 法令の遵守

システム・機能でまかなう法令

ネットショップで海外に商品を発送していなくても、事業を行うにあたって法令の遵守は絶対に必要です。
インターネットは国境を軽々と超えて情報が流通するため、欧州のGDPRをはじめとした、ユーザーデータの保護規則への対応が必要です。
「Cookieバナー」と言われるCookieを利用した個人の行動データなどの収集・活用に対して、ユーザーの意思で利活用の範囲を決められる仕組みが日本国内のネットショップに限らずウェブサイト全般でも取り入れられているのはそのためです。

ネットショップでは商品やサービスを販売する、いわゆる「商法」が各国で制定されていますが、基本的には日本国内で適用されている景品表示法や薬機法、中古商品を扱う際は古物商許可証取得、デジタルガジェットをはじめとした電化製品を取り扱う際はPSEマーク取得商品かどうかを確認するなど、許認可や日本国内で必要な資格取得がなされているかという、事業を行うための最低限のルールを守りつつ、ネットショップで表示が義務付けられている特定商取引法については、ネットショップのシステムが法令に則った表示が実現されるような機能を採用しています。
やや解像度が低い書き方にはなりますが、欧州GDPRへの対応においても、Cookieバナーの実装と特定商取引法に則った正しい表示をすれば、ネットショップの越境EC対応としては大きな問題にはなりません。

Cookieバナーの実装は、ネットショップのシステムが機能対応していればその機能を利用しましょう。(機能対応が無ければ機能開発が必要になります。)

国際法等により規制される商品販売

越境ECで最もわかりにくいのが、日本国内では当たり前のように流通している商品でも、海外に送ってはいけないものがあり、逆に海外では当たり前のように流通している商品でも日本には持ち込めないものもたくさんあるという事です。
越境ECは輸出と輸入を行うことになるため様々な規制があり、食品・植物・医療器具には規制の対象になっているものが多数あります。
ひとつの事業者さんでは全てを把握することは現実的ではありません。

一般的な製品、例えば洋服やアクセサリーなどのアパレル商材はほとんど規制を受けることはありませんが、非常に歴史的な価値がある文化財とみなされるもや、特殊な素材を使っている健康機器、動植物の一部を素材に取り入れた製品など、少しでも心配や不安がある場合は、下記に問い合わせましょう。

※問い合わせ先や問い合わせ方法はお調べください

法令の遵守はわかりにくいこともたくさんありますが、法令を違反した場合は罰則もあり「知らなかった」では済まないこともあります。
しかしその分、経産省をはじめとした日本の公的機関も相談窓口を設置したり積極的な情報提供をしているので、ぜひ問い合わせてみてください。


越境ECの必須項目3 - 越境ECに関するポリシーの明記

日本国内でのネットショップによる取引では通常「特定商取引法に基づく表示」が求められますが、しっかりと海外在住のユーザーを対象にした表記をすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
トラブルを未然に防ぐために必要な表記は多くないので、しっかりとポリシーに明記しましょう。

必ず明記するポリシーその1 - 関税の取り扱いについて

越境ECを行うということは、輸出を行うということです。
越境ECで荷物がお届け先の国に届くと、税関による関税手続きが行われます。
一般的に、海外のネットショップから商品を購入する場合は、関税を注文者が負担します。
Shopifyではバックヤードの設定をすることで注文時に関税を注文者から徴収する機能が備わっていますが、日本で開発されたECプラットフォームにはその機能がありません。
※Shopifyで越境ECを行う場合でも、注文時にユーザーから関税を徴収する機能は必ず利用しなくてはいけないわけではなく、後述しますが現段階ではこの機能を利用しないほうがシンプルです。

この関税を

  • 誰が
  • いつ
  • どのように
  • 金額はいくらか

支払うのかを明記しましょう。
この項目を明記しないと、注文者から「荷物を受け取るときに想定していなかった関税の支払いをさせられた!」や「関税の支払いをしなくてはいけないなんて知らなかった!税分を返金してほしい!」や、最悪の場合は「関税の支払いはしないから受け取り拒否した」という、売り上げはゼロで往復送料を店舗が負担をして損害を被ってしまう場合があります。
「誰が」は、基本的には注文者が関税を支払います。
「いつ」については、「荷物の受け取りと引き換えに」という場合や、「事前やメールや書面で通達があって先に支払う」という場合もあり、配送キャリアによって異なります。
「どのように」については、「現金のみ」「クレジットカード払い」「電子決済」なども送り先の国・地域によって異なります。
「金額はいくらか」は、送り先の国・地域、品目ごとに関税率が異なりますし、国の情勢によって関税率は変わるため、関税率・関税額を明記するのは現実的ではありません。

したがって、ポリシーに明記する関税の取り扱いは

  • 誰が:注文者が
  • いつ:注文者がお住いの国・地域のルールに従って
  • どのように:注文者がお住いの国・地域のルールに従って
  • 金額はいくらか:注文者がお住いの国・地域が定める品目に対するその時の税率

となります。
関税の取り扱いについては、通常「特定商取引法に基づく表示」では記載する箇所が無いので、項目を追加して明記しましょう。

必ず明記するポリシーその2 - 注文商品に関するポリシー

日本国内で販売する前提でネットショップを運営していて、海外在住のユーザーから注文をいただいても、どうしても海外には発送できない商品があります。
先述の「国際法等により規制される商品」をはじめ、冷蔵・冷凍便で発送しなくてはいけない飲食物など、「海外在住のユーザーへ発送できない商品を注文していただいた場合は注文をキャンセルする場合がある」という点をポリシーに明記しましょう。

必ず明記するポリシーその3 - 配送に関するポリシー

海外に荷物を送るというのは難しいことではありませんが、やはり日本国内とは事情が異なります。
「特定商取引法に基づく表示」でも送料・荷物の紛失や返品・交換に関する表記をする必要があるので、海外に荷物を発送する場合のポリシーを明記しましょう。


越境ECでの対応努力項目

越境ECの対応努力項目1 - 配送方法の設定

「海外に商品を発送するのに、配送方法の設定は必須ではなくて努力項目なの!?」と思われた方もいらっしゃると思います。
どういうことなのか、ご説明しますのでどうぞご覧ください。

越境ECでよく利用される配送方法

ネットショップに海外の方から注文があったら、注文商品を発送しなくてはいけません。
海外に荷物を発送する方法で最もよく使われているのがEMS(国際スピード郵便)です。
日本ではEMSによる海外への荷物の発送は、郵便局の窓口で手続きができます。
これから越境ECを始めようという事業者さんは、ぜひ最寄りの郵便局へEMSの荷物発送の相談をしてみてください。
世界中の国・地域へ荷物を発送する際の地域ごとの重量別送料や、発送伝票のほかに必要な添付書類(製品ごとのHSコードなども)、荷物に対する保険、関税の仕組みについても教えてもらえます。(窓口の方が優しい方だとラッキーです。)
郵便局が窓口をしているEMSのほかにも、DHL・FedEx・UPSなど国際的な宅配会社の日本事務所にも問い合わせておくと安心です。
DHL・FedEx・UPSはそれぞれ得意な対象地域があり、配送スピードや送料も異なるため、EMSよりも割安に荷物を送ることができる場合もあります。

EMS・DHL・FedEx・UPSはインターネット上で荷物を発送するために必要な配送伝票やインヴォイスと呼ばれる添付書類を作成&印刷できるサービスがあり、荷物1個からでも複数でも必要な書類を一括で作成することができます。
これらのサービスを利用すれば、越境ECで荷物を海外に発送する作業はそれほど難しくなく、慣れてしまえば日常的な業務として処理することができるようになります。

越境ECの送料の考え方

越境ECを開始する際に頭を悩ませるのが送料の設定です。

海外に品物を送る際は、基本的に配送先のエリアと梱包材も含めた重量をもとに送料が決まります。
ネットショップのシステムに商品の重量を設定できる仕組みがある場合もありますが、梱包材を含めた重量を自動計算して正しい送料を算出するというのはとても難しいです。
また、海外では日本ほど荷物の取り扱いが丁寧ではなく、荷物の破損や紛失に対する追加補償をうけるための保険料も検討したほうが良い場合があります。

そこで越境ECの送料設定でオススメなのは、取扱商品のおおよその重量から、1梱包当たりの重量を仮で決定し、その重量で配送先エリアごとにかかる送料を設定するという方法です。
このように設定した送料に、さらに必要であれば保険料を追加するのがシンプルな送料決定の方法です。

もちろん、ネットショップで自動計算される送料よりも実際にかかる送料が高くなってしまうという事も起こることが想定されますが、「送料が高くなる=たくさん注文してくれている」という事になり、注文金額も利益も大きくなるため、送料の一部は売上から得られた利益でカバーをするという発送をもつとスムーズです。
しかし世界的な物価高傾向もあるため、海外のお客様から支払っていただいている送料よりも、店舗側で負担する送料があまりにも多くなってしまうようであれば、送料を随時変更することも重要です。

転送サービスを利用すれば国内向けの配送だけでもOK

ここまで越境ECで海外に荷物を発送するための方法をご案内しましたが、海外在住のユーザーが安心して日本のネットショップで注文をした荷物を受け取れるサービスがあります。
それが「荷物の海外転送」や「発送代行」といわれる転送サービスです。

これらの転送サービスは、海外在住のユーザーが自身でサービス利用のアカウントを作成し、アカウントに紐づいた荷物発送先の倉庫住所とIDを利用します。
転送サービスの配送先住所は例えばこのようになります。

〒●●●-●●●●
都道府県名 市区町村名 地域名 ●丁目●番●号 XXXXXXXXX(ユーザーID)

あくまでも注文を受けた店舗から発送する荷物の送り先は国内の倉庫住所になるので、発送方法は日本国内のユーザーに品物を送る場合と全く同じです。
倉庫に荷物が届くと、注文した海外在住のユーザー宛に転送サービスを提供する会社が荷物を送る手続きをしてくれるため、店舗側でこれ以上の対応や作業をする必要はありません。

このように、転送サービスを利用すれば、ネットショップに越境販売をするための配送方法や送料の設定をする必要がなくなるので、越境ECを始めるにあたって配送方法の設定は対応努力項目となります。

転送サービス利用時の注意点

海外在住のユーザーにネットショップで販売している商品を簡単に届けることができる転送サービスですが、注意しなくてはいけない点もあるのでご紹介します。

転送サービス利用時の注意点1 - 配送先情報の取り扱い
海外在住のユーザーが転送サービスを利用してネットショップで注文をする場合、配送先の倉庫住所が英語(アルファベット)で表記されている場合があります。
クロネコヤマト(B2クラウド)・佐川急便(e飛伝)・日本郵便(ゆうプリR)など、それぞれの配送キャリアの配送伝票を作成をするためのシステムには、記載できる送り先住所に文字数の上限が設けられています。
送り先住所の表記が漢字ではなく英語・アルファベットでは文字数の上限に達してしまい、日本語の漢字表記にデータを修正する場合があります。
送り先住所を日本語に修正するときに、住所に含まれているユーザーIDを消してしまったり、誤った記載をしてしまうと、転送サービスを利用できなくなるのでご注意ください。

転送サービス利用時の注意点2 - 荷物の紛失や返品・交換に関するポリシーを明確にする
運営しているネットショップが転送サービスを導入している・していないにかかわらず、転送サービスを利用する海外在住のユーザーがネットショップで注文をしてくれることがあります。
越境ECをしている意識が無くても、ネットショップの情報は国境を越えて海外在住のユーザーに届くので、越境ECをしていなくても荷物の紛失や返品・交換に関するルールを明記しましょう。

日本国内では荷物の紛失や破損・汚損はそれほど多くないですし、万一の配送トラブルの際に配送キャリア各社が補償をしますが、海外では日本国内よりも荷物の紛失・破損・汚損のリスクが高いというのが実情です。
荷物の紛失は海外でも保証される場合が多いのですが、破損・汚損については、配送キャリアへ補償申請する際にショップ側に非が無いことを証明するための書類が必要だったり、言語の壁もあり、補償を受けられない場合もあります。
日本国内向けの紛失・返品・交換に関するポリシーとは別に、越境販売の際には別途各種ポリシーを定めて明示すると返品や交換の負担を減らせます。


越境ECの対応努力項目2 - 言語対応

越境ECを行うにあたって、サイトで表示する言語で日本語以外の言語を準備しなくてはいけない、と考えるのは自然なことです。
もちろんユーザーに正しく情報を理解してもらうために英語やフランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語...各言語でのサイト表記ができるのが理想ではありますが、現実的ではありません。

Shopifyには言語切り替え機能やGoogle翻訳を活用した自動翻訳アプリがあります。一方で、日本国内のECプラットフォームでは、言語切り替え機能を導入するには、別途カスタマイズや開発が必要となることが多いです。
では、越境販売を開始する初期段階で言語対応はどのようにするのが良いのかご紹介します。

複数言語をネットショップに記載する方法

ECプラットフォームにネットショップの表示言語を切り替える機能がある場合は良いのですが、その機能が無い場合は、どのように日本語以外の言語を表記すればいいのでしょうか?
ひとつのアイディアにはなりますが、日本語以外の言語を併記する方法がすぐに実現できて、最も現実的に取り入れられる方法です。

では、日本語以外の言語を併記する場合に、どのような情報を併記するのが良いのかを日本語以外の言語を使うユーザー目線で考えてみましょう。
特別な事情が無い限り、日常的に利用する事務用品などの消耗品(ホッチキスの針や付箋紙、ボールペンの替え芯...etc)を越境販売しているサイトで注文するというのは考えにくく、あなたのネットショップにアクセスしてくる海外のユーザーは、SNSで目にしたり、検索・AIで調べたり、さまざまな理由&経路であなたのネットショップだからこそ購入できるブランドや商品に興味を持って、あなたのネットショップにアクセスしてくれているはずです。
そんな目線で日本語以外の言語を使う海外在住のユーザーが必要とする情報はそれほど多くはないはずで、主に下記の情報になると考えられます。
ネットショップで日本語以外の言語を併記したほうがいい情報

  • 商品コードや商品名、商品説明など、商品の基本情報
  • 関税の取り扱い
  • 配送方法や送料
  • キャンセルや返品・交換に関する規約
これらの情報は、ネットショップの中で基本的にテキストで記載しているはずなので、テキストはGoogle翻訳やDeepLなどの翻訳ツールで翻訳をすることができますね。
翻訳したテキストは「Information for Customers Living Outside Japan」などの見出しと共に日本語の表記とは段楽を分けて張り付ければ情報は伝わります。

画像にデザインフォントで入れ込んだテキストに日本語以外の言語を併記するのは画像サイズやスペースの兼ね合いもあってとても難しいですし、画像の中に大々的にデザインされた文字を入れ込んで、何枚も画像を並べて縦長の商品ページで訴求するのは日本のネットショップならではの手法でもあるので、日本語以外の言語を併記する対象からは外しても良いと考えられます。

どうしても画像の中に入れ込んだ文字を読みたいユーザーは、画像を読み解けるAIやandoroidのスマートフォンに搭載されているGoogleレンズ機能などを利用してユーザー側で読み取ってくれます。

越境販売で必要な言語はどの言語?

では、ネットショップに記載する日本語以外の言語はどの言語にすればいいのでしょうか?
少し乱暴ではありますが、越境販売をこれから開始するという段階で、特に販売たのめに注力したいターゲットとする国・地域が決まっていない場合は英語があれば十分です。

Google翻訳やDeepLなどの翻訳ツールは英語を中心に据えているので、「日本語⇔英語」の翻訳はとても精度が高く、「中国語⇔英語」の翻訳も同様に精度が高いのですが、「日本語⇔中国語」になるとやや精度が低くなります。
英語の表記は世界中のユーザーがぱっと見で英語であると認識できますし、日常会話レベルの英語を読み書きできる人はとても多いので、「日本語⇔英語」の翻訳でほとんどのユーザーに情報を伝えることができます。
英語の読解に慣れていないユーザーでも、英語の表記がしっかり書いてあれば、英語を起点としてフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、タイ語、タガログ語...etcへ、ユーザー自身が翻訳サービスを利用することでスムーズな翻訳と情報伝達ができます。

問い合わせの対応はどうする?

越境ECを始めると、海外在住のユーザーからメールやSNSのコメント・DMで問い合わせが来ます。
問い合わせをいただけるということは、あなたのネットショップが海外でも見られているということですので自信を持ってください。

サイトに併記する言語を英語にしていると、海外在住のユーザーからの問い合わせも、半数以上が英語になります。
問い合わせの内容は翻訳ツールを使えば理解できますし、問い合わせの返信に利用する英文もすぐに作成できます。
英語以外で問い合わせをいただくこともありますが、英語で返信をすれば問い合わせしてくれた方も英語でやり取りしてくれます。(問い合わせをした方も翻訳ツールを利用してくれます。)

問い合わせへの返答で意識していただきたい点2つあります。

ひとつ目は、日本では日常的に使われる遠回しな表現は避けるのが無難ということです。
対応できないことについて「ご希望に沿えるよう努力しましたが難しいです」のような、はっきりNOという意思表示ができない表現ではなく、「あなたの希望にはこたえられません」というように、YES/NOの意思表示を明確にすることが大切です。

ふたつ目は、気遣いは必要だということです。
YES/NOの意思表示とは別に、「ご不便をおかけして申し訳ありません。(We apologize for the inconvenience.)」や「ご理解いただいたことに感謝します。(Thank you for your understanding.)」などの気遣いの一文はしっかりと表現しましょう。


越境ECをスムーズに行うためのまとめ

常にトレンドが変化し、新しい販売&集客チャネルを取り入れたり、同じ商品でも季節ごとに訴求ポイントを変えるなど、ネットショップの運営に「完璧」という状態はないのと同じく、越境ECにも絶対的な正解はありませんが、この記事でお伝えした内容を押さえておけば越境ECをスムーズに行うことができます。

日々の業務の中で問い合わせ対応や配送業務で悩むこともありますが、適切なツールやシンプルで使いやすい帳票を活用すれば、効率的な運営が可能です。

「さらに越境ECで本格的に販売を拡大したい」となると、販売注力対象となる国・地域に合わせたドメイン・ディレクトリの最適化、検索対策、広告運用、受注&発送処理のバックヤード効率化など、より高度な対応が必要になりますが、越境ECも国内向けのネットショップ運営と同じく、日々の積み重ねが何よりも大切です。

ぜひあなたのネットショップのステキな商品を海外時在住のユーザーに届けて、国内と同じく大切なお客様を増やして売上をアップさせてください。

アスタスでは越境ECをこれから始める方も、もう越境ECをしているけれどももっと売上を拡大したい方にも豊富な経験と解決力でお力添えさせていただきます。

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